米中央情報局(CIA)が数週間前、事実上内戦に陥ったシリアの反政府勢力への支援を視野に、秘密工作を開始したようだ。
14日付ウォールストリート・ジャーナル、続いて21日付のニューヨーク・タイムズ、と2つの米紙が伝えた。

 オバマ米政権はチュニジアやイエメンのように、アサド大統領が退陣して後継に引き継ぐ「管理された政権交代」をロシアなどに持ち掛けていたが、プーチン・ロシア政権はこれに同調せず、アサド政権への武器供給を継続、当初の計画は行き詰まった。

 戦闘激化で国連シリア監視団(UNSMIS)が停戦監視活動を停止するほど事態は深刻化、死者が1万人を超える状況となり、放置すれば、11月の米大統領選で再選をかけるオバマ大統領に悪影響を与えるとの懸念があったとみられる。

 米国務省はシリアの反政府系市民向けに医薬品や通信機器計1500万ドル(約12億円)の拠出を決めているが、米政府はシリアの反政府武装勢力への直接的な軍事支援は当面避ける方針。武器供与など軍事支援はトルコやサウジアラビア、カタールといった米国の「代理国家」が実行しているとみられる。サウジアラビアとカタールは反政府武装勢力に武器を供与するとともに、民兵に「給料」を支払っていると伝えられている。

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