ナンバー2を更迭した李健熙会長 (C)EPA=時事
ナンバー2を更迭した李健熙会長 (C)EPA=時事

 韓国のサムスングループの2010年の売り上げは約260兆ウォン(約18兆円)。韓国の国内総生産(GDP)の約22%、国全体の輸出額の約24%を占める。同グループの株式時価総額は韓国の証券市場の約25%。韓国を代表するグローバル企業だ。  そのサムスングループが6月7日、グループの未来戦略室長に崔志成(チェ・ジソン)サムスン電子副会長を起用すると発表した。未来戦略室長というポストはサムスングループのトップ・李健熙(イ・ゴニ)会長に次ぐナンバー2の座だ。崔志成副会長の後任のサムスン電子最高経営責任者(CEO)には権五鉉(クォン・オヒョン)同電子副会長を内定した。  今回の人事は崔志成副会長をグループ全体の司令官にし、権五鉉副会長がグループの中核企業であるサムスン電子を総括するという2トップ体制にするものだ。  サムスングループ幹部の人事は年末が多く、6月にグループのナンバー2を交代させるのは異例だ。サムスン側は、金淳沢(キム・スンテク)未来戦略室長が健康上の理由で辞意を表明したためとするが、事実上の更迭との見方が強い。  この日は李健熙会長が1993年にフランクフルトで、グループの経営方針について「女房と子供以外はみんな取り替えろ」と宣言した「新経営宣言」から19周年の日であり、ナンバー2交代の人事は、李健熙会長のグループ経営転換のサインとの見方も出ている。韓国メディアは「第2の新経営」を予告する人事と報じた。

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