チリのピニェラ大統領(右)と握手する温家宝首相 (C)AFP=時事
チリのピニェラ大統領(右)と握手する温家宝首相 (C)AFP=時事

 6月18-19日にロスカボス(メキシコ)でG20首脳会議が開かれ、続いて20-22日にはリオデジャネイロ(ブラジル)で、「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」の首脳会議が開催された。中南米で相次いで開かれた重要な首脳会議であったが、わが野田佳彦総理は消費増税法案をめぐる政局に足を取られ、メキシコでのG20首脳会議のみに出席し1泊4日のとんぼ返りで帰国。国連のリオ+20には玄葉外務大臣が出席したものの、残念ながら日本政府にはこの機会を捉えて中南米外交に目配りをする余裕や視点がまったく欠落していた。  対照的に、国連会議に出席したアフマディネジャド・イラン大統領は、ブラジルのほかに、今年2度目となるベネズエラ、ボリビアを訪問し、孤立を深める中で反米急進左派政権との同盟関係を再確認している。  中国は、胡錦濤主席がG20 に、温家宝首相がリオ+20に出席した。温首相はブラジルに続いて、ウルグアイ、アルゼンチン、チリの南米4カ国を歴訪し、この10年間の胡錦濤体制による中南米に対する中国の外交攻勢の総仕上げともいうべき足跡を残した。  

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