李大統領が「竹島上陸」という愚挙に至るまで

執筆者:平井久志2012年9月18日

 日韓が領有権を争っている竹島(韓国名・独島)で8月19日に李明博(イ・ミョンバク)大統領直筆の石碑の除幕式が行なわれた。本来は韓国の解放記念日である8月15日に行なう予定であったが、荒天でこの日に延期されたものだった。

 除幕式には孟亨奎(メン・ヒョンギュ)行政安全相や金寛容(キム・グァンヨン)慶尚北道知事らが出席した。石碑は「独島守護標石」と名付けられ、高さ1.2メートルで、表にハングルで「独島」、裏に「大韓民国」、側面には「2012年夏 大統領 李明博」との文字が刻まれている。

 ところが、この石碑の土台の一部など複数の構造物が、韓国の環境保護当局の許可を受けずに設置されたことが発覚し、土台の一部などを撤去しなければならなくなった。韓国は竹島を国の天然記念物に指定しているが、慶尚北道と地元鬱陵郡は昨年8月、韓国の国旗の「太極旗」をイメージした石碑土台や道旗掲揚台、虎の像のほか、これらの竣工記念碑まで違法に設置し「めったやたらにつくり、独島を大きく傷めた」と非難を受けて撤去となった。

 李明博大統領の名前の入った石碑そのものは事前に許可もとってあり残るが、李大統領の竹島上陸が、どたばたの中で強行された事実を物語るものだ。青瓦台が主張するようにかなり以前から計画されていたのなら、こんな手違いは起きないだろう。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。