エジプトで新憲法草案への国民投票の第1回投票が12月15日に行われた。エジプトが、手続きに則って新体制設立への敷居を超えられるか否かは、「アラブの春」の成否と、今後の展開を占う、重要な意味を持つ。

投票は地域ごとに二回に分けて行われ、第2回投票は一週間後の12月22日に行われる。

現地メディアが報道する第1回投票の暫定集計【】【2】では、賛成票が4,595,311 (56.50%)、反対票が3,536,838 (43.50%)とされる。新憲法制定を急ぐムルスィー政権が優勢と言える。

投票率は50%を超える見込みで、昨年3月19日に行われた、旧憲法の一部条項を改正する憲法改正案への国民投票の投票率(41%)を大きく上回っている。新憲法案とムルスィー政権に反対するリベラル派が一時抱いていた、ボイコットによって新憲法を葬るという望みはほぼなくなった。

第1回投票は27県(首都カイロ含む)のうち10県で行われた。カイロとアレクサンドリアの二大都市に加え、ダカハリーヤ、シャルキーヤ、ガルビーヤといった下エジプト(ナイル・デルタ地帯)の、人口規模の大きい県を含んでいるため、約5100万人の登録有権者のうち約半数の2500万人が第1回投票の地域に居住しているものと見られる。

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