中国でリベラルな報道姿勢で知られ、知識人の間で非常に大きな影響力を持つ「南方週末」が新年の論説で民主政治の重要性を訴えようとしたところ、広東省の党委員会宣伝部に記事を差し替えられた。2013年の中国の言論・メディア界における最初の「炎上」事件だ。7日現在、事件は広東省・広州で街頭の抗議運動が行われ、香港や台湾のメディア関係者からも相次いで批判の声が上がるなど燃え広がる様相を見せており、今後の展開は習近平体制の報道統制の方針を占う意味でも注視される。

 この問題の経緯は以下の通りだ。

 1月3日の紙面で南方週末は「新年献詞」という2000文字からなる記事で、「中国の夢、憲政の夢」と題した文章を掲載しようとしたが、宣伝部の審査部門は不満を示し、文章の半分を書き換え、タイトルも「我々はいかなる時よりも夢に近づいている」と変更されたとされる。

 同日、南方週末の記者らが微博(中国版ツイッター)で今回の宣伝部の処置に対する不満を表明したが、署名に加わった記者の微博アカウントが閉鎖される措置が取られた。

 4日、南方週末の50人の記者や編集者たちが公開声明を出して、「今回の問題は、メディアにとっても共産党にとっても、利益を壊滅的に損なうものだ」と指摘し、宣伝部のトップの辞職と、記者のアカウントの再開を要望した。

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