恥を知れ、インド
2013年1月10日
昨年暮れから新年にかけインドから届いた、むごい性犯罪・殺人事件のニュースに、南アジアは怒りを通り越して呆然となった。読めば読むほど殺された女性への同情は深まり、インドという国への怒りが沸いてくる。
「唐天竺」といって、日本人は昔から「孔子さまの国」中国と「お釈迦さまの国」インドに、漠然たる敬意を払ってきた。その常識を一挙に覆す事件である。
近頃の若い日本女性バックパッカーは、リュック1つを背に、アフリカや唐天竺の奥地へも出掛ける。行った先から報告を、NHK「地球ラジオ」などに送ってくる。大半は「思いがけず親切にしてもらった」「こんな面白い発見をした」と、明るい体験記である。だが、インドで起きた今回の悲劇を知れば、国際親善どころではない。少なくともインドのバスに乗るのは、2度考えてからにするのが賢明だろう。「世界どこでも人間家族」なんて、とんでもない。
野蛮な事件が起きたのは、昨年12月16日、インドで最も文明的で安全であるべき国家首都ニューデリーでのことである。若い女子医学生(23歳。性犯罪の被害者は住所・姓名を伏せられている)は、男友達と一緒に映画館を出てバスに乗った。
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