24日、台湾の抗議船が尖閣諸島に接近、上陸を試みた、というニュースが流れた。実のところ、今回、尖閣諸島海域で日本、中国、台湾の公船がすべて顔をそろえ、対峙するという歴史上初めての出来事だった。興味深く、重要な示唆を含んでいるので、当時の状況をかいつまんで紹介したい。

24日午前2時45分、台湾北部・基隆市の港から台湾の活動家が乗った「全家福号」が出航した。「全家福号」の出航目的は航海の安全を守る民間信仰の媽祖という神様の像を、尖閣諸島に安置するためとされている。そして、「全家福号」の警護という理由で、台湾の海巡署(海保に相当)の巡視船4隻も台湾から出航した。「和星艦」「連江艦」という2隻の中型の巡視船と10018、10050という識別番号がある2隻の小型艇から編成されていた。

24日日本時間午前11時ごろ、「全家福号」と台湾の巡視船が尖閣諸島の接続海域に入った。彼らは台湾からまっすぐ航行してきたので、西南の角度から尖閣諸島に近づこうとしており、これに対して、日本の海保の巡視船8隻が進行方向に立ちふさがる形で向き合った。

そして中国は21日から継続して尖閣諸島海域を航行していた「海監23」「海監46」「海監137」の3隻の海洋監視船が、台湾の船団の後を追う形で接続水域に入っていた。中国船と台湾船の距離はおよそ0・3カイリ。かなり近づいていたため、台湾の和星号はここで「釣魚台は中華民国の領土であり、ここは中華民国釣魚台の海域である。ただちに離れて下さい」と呼びかけた。

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