ブッシュ米大統領が再選されれば、日本で事実上の亡命生活を送っているアルベルト・フジモリ元ペルー大統領がペルーに“復帰”する可能性が強まるかもしれない。 ワシントンの消息筋によると、ブッシュ政権内では、ペルーで極左ゲリラ組織が再び活動を活発化させる動きを見せていることへの懸念が強く、徹底的にテロを取り締まったフジモリ元大統領の復権を望む声が出始めた。 今年六月に開かれた国務省と国防総省の合同地域対策会合では「トレド現政権がテロと麻薬対策に甘く、このままではペルーがテロリストの温床になりかねない」との意見が大勢を占めたという。米政府はこのほど、来年度の対ペルー軍事援助の削減方針を打ち出したが、これは「トレド政権にもはやテコ入れしないというシグナル」(国務省筋)との絵解きもある。 ペルーでは二〇〇六年に大統領選挙が予定されており、フジモリ元大統領が出馬への意欲を示している。同消息筋は「ブッシュ大統領が再選されれば、国務省内でも積極関与派の意見が台頭し、ペルーの大統領選でフジモリ再選を支援する動きが出てくるだろう」と予想する。

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