北朝鮮の核実験は、後戻りのできないところにまで来ている。

 1月27日の朝鮮中央通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は外交安保部門の幹部を集め「国家安全・対外部門の幹部協議会」を開催し「国家的重大措置」を取ることを表明した。

 北朝鮮は2006年や2009年の核実験の際に、こうしたことは公開しておらず、幹部会が報道されるのは初めてだ。朝鮮中央通信は会議の目的を「現情勢に対処するため」としているが、まだ若く、経験の浅い金正恩第1書記が外交・安保部門の幹部たちと協議の上で重要決定をしているという安心感を国民に与えると同時に、金正恩第1書記がこの会議を召集したことを公開することで、核実験が金正恩第1書記の指導下で行なわれたことを示すプロパカンダであろう。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記はこうした会議を開かず、独断で方針を示したが、金日成(キム・イルソン)主席は幹部と協議する姿を公開した。ここでも金正恩氏は「金日成スタイル」を復活させた。

 この「国家安全・対外部門の幹部協議会」は、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に存在した「国家安全保障会議」(NSC)や朴槿恵(パク・クネ)次期政権で設置が検討されている「国家安保室」などを連想させるが、常設機構ではなく、核実験強行までのプロセスを内外に誇示する臨時の幹部会議とみられる。

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