北朝鮮が2月12日午前11時57分ごろ、咸鏡北道吉州郡豊渓里の実験場で3回目の核実験を実施した。

 北朝鮮の祖国平和統一委員会のサイト「わが民族同士」は2月9日、同国の「統一新報」の2月8日付論評「『力』にはさらに大きな力で」を転載した。この論評は「米国とその追従勢力」が金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が述べた「国家的重大措置」(1月26日の安保・外交部門幹部との協議会での決定)を核実験と「早合点している」と報じた(「統一新報」は週刊紙で2月9日に発行されているが、この論評は掲載されていない)。

 北朝鮮側の意図は不明だが、これは「核実験延期か」と思わせるフェイント作戦となり、結局は「やると言えばやる」という北朝鮮の基本姿勢を貫徹するように核実験を強行した。

 北朝鮮外務省が1月23日に核実験実施を示唆してから20日がたっていた。米国のオバマ大統領の一般教書発表の前日、一昨年12月に死亡した故金正日(キム・ジョンイル)総書記の誕生日(2月16日)を目前にした時期だった。対外的には北朝鮮が核保有国として立場を固めつつあることを米国に突きつけ、国内的には昨年12月の「人工衛星」打ち上げに続く「国家的重大措置」を実行することで指導力を誇示し体制の安定を図ろうとする実験であった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。