アル・カエダが民生用の煙感知器から「ダーティー・ボム(汚い爆弾)」を造ろうとしていた可能性が浮上している。 英国の治安当局は今年八月、一年余にわたる監視作戦の末に、アル・カエダのメンバーなどからなるイスラム原理主義組織を摘発。その際、一般家庭向けの火災防止用煙感知器が大量に隠されている場所を発見した。 捜査の結果、同組織がこれら感知器を分解して、中に含まれている微量の放射性物質アメリシウム241を取り出し、放射性障害を引き起こす「汚い爆弾」を造る計画だったことがほぼ確実となった。ロンドンの専門家らの分析では、「汚い爆弾」は完成寸前だったとされ、「わずかなアメリシウム241を最大限利用する技術は非常に高い水準にある」と推定されている。 また、同時に押収されたコンピューターのファイルから、多国籍企業が多数入居するロンドン市内の高層ビルを、こうした「汚い爆弾」や自動車爆弾で攻撃する計画が練られていたこともわかった。摘発された組織のリーダー、イサ・アル・ヒンディは二〇〇一年に米国のユダヤ人施設の爆破も計画していたという。

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