アフリカに軍事介入するフランスの論理

執筆者:白戸圭一2013年2月23日

 マリ北部のイスラム過激派の掃討を目的としたフランスの軍事介入は、過激派に占拠されていた主要都市の奪還という成果を挙げつつある。フランスを訪問したマリ暫定政権のシソコ首相は2月19日、フランスのファビウス外相との会談後の記者会見で「大規模な軍事作戦は終わりつつある」と述べている。

 

 今回のフランスによるマリへの軍事介入が日本でもある程度注目を浴びた最大の理由は、マリ北部を拠点にする過激派がアルジェリアで天然ガスプラントを襲撃し、多数の日本人が犠牲になるという特別の事情があったからだろう。

 だが、日本では一部の専門家を別にすればあまり知られていないことかもしれないが、フランスは過去半世紀の間、アフリカに対して最も頻繁に軍事介入してきた国だ。軍事超大国アメリカが世界規模で追求してきた軍事戦略を、アフリカの旧植民地に特化して進めてきた国。それがフランスだと言えるかもしれない。

 

 アメリカはソマリアのアルカイダ系組織掃討のため今世紀に入ってからジブチを軍事拠点とし、最近になってニジェールに無人攻撃機の基地をつくる計画を本格化させている。だが、アメリカは長年、アフリカ大陸に米軍基地を置いてこなかった。2008年10月に新設された「米アフリカ軍司令部」も、司令部はドイツにある。

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