ミャンマー軍事政権の最高実力者タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長と序列第三位のキン・ニュン首相の間に、深刻な確執の噂が流れている。ヤンゴンの消息筋によると、九月十八日の正副外相の突然の交替が対立の発端とされ、首相はタン・シュエ議長に辞表を提出したが受理されなかったという。 同議長は、ミャンマーのアジア欧州会議(ASEM)加盟の条件として、「十月のハノイでの第五回首脳会議へのキン・ニュン首相出席辞退」という欧州連合(EU)の要求を呑んだことを「弱腰」と指弾。ウィン・アウン外相とキン・マウン・ウィン副外相を更迭し、ニャン・ウィン国防省訓練総局次長(少将)とマウン・ミン陸軍第七十七歩兵師団長(大佐)の外交経験皆無の制服組二人を正副外相に据えた。 キン・ニュン首相は、国防省内で同じ情報畑にいたウィン・アウン氏を高く評価。同氏は一九八五年に外交官に転じた後、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内でも温和な印象が定着し、外交術にも長けていた。首相は同氏の留任を強く希望したが、議長は聞き入れなかったとされる。

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