[ニューヨーク発]今年最大の焦点だった米大統領選挙がブッシュ再選で早期決着し、市場の混乱を警戒していたウォール街は安堵感に包まれている。来年の米経済や相場動向に思いを巡らせる市場関係者にとって、今後の最大の関心事がアラン・グリーンスパン連邦準備制度理事会(FRB)議長の後継問題だ。 米中央銀行制度の最高意思決定機関であるFRBは、議長と副議長を含む定員七人の理事(現職五人)で構成される。FRB議長の任期は四年で大統領が上院の承認を経て任命。金融政策を実際に決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は、FRB理事と五人の地区連銀総裁が参加して年八回開催され、FRB議長はFOMC委員長として会合を取り仕切る。 グリーンスパン議長は一九二六年三月六日生まれの七十八歳。七四年に共和党のフォード政権で大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を務めた後、同党のレーガン政権下の八七年八月十一日にFRB議長に就任した。就任直後の十月十九日に起きたブラックマンデーの株価暴落への対応を皮切りに、九四年のメキシコ危機、九七年のアジア通貨危機、9.11などを乗り切って、今年六月の再任で五期目に入っている。 在任期間は十七年三カ月に及び、ウィリアム・マーチン元議長の十八年十カ月に次ぐ歴代二位。二〇〇六年六月まで在任すれば最長記録を更新する。しかし法律上、最長十四年の理事としての任期が同年一月末に切れるため、一応は理事任期の満了が退任時期のめどになりそうだ。

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