ブッシュ大統領の再選を受けて米国の対北朝鮮政策が一段と強硬になるとの観測が高まる中、北朝鮮がクリントン前大統領の訪朝によって事態の打開を目指そうと画策しているとの説がある。 ニューヨークの国連外交筋によると、北朝鮮の国連代表部は米大統領選の結果が判明した直後から民主党関係者と接触を始めた模様だ。同外交筋は「米朝関係が一層緊張した場合に備え、両国間の仲介役としてクリントン前大統領の訪朝を促すため」と見ている。 朴吉淵国連大使、韓成烈同次席大使は、北朝鮮の核開発疑惑をめぐって米朝関係が緊張し、米国による軍事攻撃がささやかれていた一九九三―九四年当時も、国連大使、公使としてそれぞれ駐在していた古株。九四年、民主党のカーター元大統領が訪朝した際、裏で動いたのもこの二人と見る向きもある。 今回の北朝鮮の対米工作シナリオを描いているのも彼らと考えられており、同外交筋は「カーター訪朝による危機打開の再現をクリントンで画策しているのは間違いない」と分析。韓次席大使はリチャードソン・ニューメキシコ州知事(元国連大使)ら民主党幹部と太いパイプがあるとされている。

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