日本の野球は村祭り

執筆者:成毛眞2004年12月号

 いまだに野球のどこが面白いのかがわからない。テレビで中継を見ていても五分で飽きる。退屈そうにガムを噛みながら、ときどきボールを投げてときどき打つ、という印象しかない。傍目には集団乱闘に見えてしまうラグビーや、運動量が多すぎて三分とリンクに立てないアイスホッケーを見た後ではさらに印象は悪い。 今年四月、フロリダで行なわれたテニスのチーム世界選手権「デビスカップ」でアンディ・ロディックがサーブの世界最速を記録した。時速は二百四十四・六キロ。このサーブはレシーブ側から見て、約四メートル幅のサービスエリアのどこにくるかが判らない。 一方の野球はせいぜい百六十キロが最速。ストライクゾーンだって狭い。サーバーまたはピッチャーから、レシーバーまたはバッターまでの距離は約十八メートルでほぼ同じである。 野球好きからは変化球も知らないのかと怒られそうだが、テニスにもスピン、スライスなどの変化球がある。 アテネオリンピックでは野球報道の比率が高かった。しかし、あれほどまともな参加国がないスポーツも珍しいという印象しかない。しかも、悪くてもプロ野球オールスター級の日本チームとキューバの死闘だと思っていたら、主にマイナーリーグ所属のオーストラリアに負けた。

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