米IBMが中国の最大手、聯想グループにPC事業を売却するなど、パソコン業界の大型再編が始まった。 ソニーには、「VAIO」ブランドで知られるPC部門を売却するとの観測が流れている。個人向け主体のVAIOは売れ行き不振が目立っており、二〇〇四年度上半期の国内シェアは五位に転落した。 薄型テレビとハードディスクレコーダーの普及で、家庭向けパソコンの需要は頭打ち。ゲーム機も押さえているソニーとしては、赤字体質のパソコン事業に拘泥する必要は薄い。十二月初め、PC事業てこ入れの新部門を立ち上げたものの、「ハード離れを志向する経営陣の空気は急速にパソコンからの撤退に傾いている」(ソニー関係者)。 売却先には、液晶で合弁している韓国サムスン電子や聯想に次ぐ中国PC業界二位の北大方正などが取り沙汰されている。 一方、IBM―聯想が設立する合弁会社に「東芝が一部出資することを水面下で検討している」(大手PCメーカー幹部)との見方も出ている。 実はIBMは二〇〇三年、東芝にパソコン事業の売却を打診していた。ある東芝幹部によれば「金額など条件面で折り合わなかった」のだが、パソコン事業の立て直しを急ぐ東芝にとって、中国は今後最も力をいれるべき市場だ。

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