アフリカに接近するイランの狙い

執筆者:白戸圭一2013年4月26日

 4月27日から始まるゴールデンウィーク期間中に、安倍内閣の閣僚19人(首相を含む)のうち13人が外国訪問を計画しているそうだ。首相はロシアと中東3カ国を訪問する予定だが、他の12人のうち、半分の6人は米国を訪問する予定だという。安倍政権が米国との関係を極めて重視していることがよく分かる。閣僚の訪問先は、時の政権がどの国との関係を重視しているかを示す指標だからだ。

 では近年、サハラ砂漠以南アフリカ諸国に、最も積極的にアプローチしてきた国はどこだろうか。中国のアフリカ進出は今や知らない人のいない話だが、要人の往来という観点から見た場合、中国を凌ぐ勢いでアフリカにアプローチしてきた国がある。核開発によって米欧との関係が悪化しているイランである。

 

大統領「最初」と「最後」の外遊先

 イランのアフマディネジャド大統領が4月14日から18日にかけて西アフリカのベナン、ニジェール、ガーナの3カ国を訪問し、それぞれの国の首脳との間で経済協力の拡大などに合意した。

 イラン憲法は大統領の3選を禁じており、アフマディネジャド氏は6月14日に投票が実施される大統領選に出馬できない。今回のアフリカ歴訪は、アフマディネジャド氏の最後の外国訪問となる可能性が高い。

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