5月13日に平壌で公演を観覧した金正恩夫妻 (C)AFP=時事
5月13日に平壌で公演を観覧した金正恩夫妻 (C)AFP=時事

  北朝鮮メディアは5月13日に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記夫妻が朝鮮人民内務軍協奏団の公演を観覧したことを報じた中で、これに随行した張正男(チャン・ジョンナム)氏を人民武力部長の肩書きで報じた。

 この報道で金格植(キム・ギョクシク)人民武力部長が更迭され、張正男氏が人民武力部長に就任していることが確認された。金格植氏は昨年12月21日に人民武力部長への就任が確認された(実際の就任は同年10月ごろと推定)が、わずか8カ月で更迭された。その前任者の金正角(キム・ジョンガク)氏も2012年4月に人民武力部長への就任が確認されたが、12年11月に更迭され金格植氏に交代した。人民武力部長は国防相に相当する軍の中枢ポストだ。その部長がこのように短期間に交代を繰り返すことは、金正恩政権の軍部の状況が極めて不安定であることを示すものだ。

 

新部長の詳細な経歴は不明

 金格植氏は今年3月31日に開催された党中央委員会総会で党の政治局員候補に選出され、翌4月1日の最高人民会議第12期第7回会議では国防委員に選出されたばかりだ。政治局員候補や国防委員に選出された人物が1カ月余で更迭されるというのは異常だ。金格植氏の党や国防委員会のポストがどうなっているかは不明だが、解任された可能性もある。

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