ロシア人兵器商人が直接関与しているとされる航空会社に対し、イラクの米軍基地を使用することを米国防総省が認めていた疑いが出ている。 このロシア人は、アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンやアフリカの独裁政権などに武器を密売していた旧ソ連将校のビクトル・バウト。 国防総省関係者によると、バウトは自分の息のかかった人物を米テキサス州のチャーター機会社の経営者に仕立て上げ、国防総省からイラクの米軍基地に同社の飛行機が着陸する許可を取得。昨年夏まで百四十回以上、米国からイラクの米軍基地にチャーター機を飛ばし、イラク復興用の機材などを運搬したとされる。 チャーター機を利用した米企業の中には、チェイニー米副大統領との関係が深く、国防総省との癒着が問題視されている石油サービス会社ハリバートンの子会社が含まれる。しかもバウトには、チャーター機を使って反米武装勢力向けの武器を運搬していた疑いもある。 ブッシュ大統領は以前からバウトの関連する企業との取引を禁止する命令を出していたが、新たな疑惑浮上に激怒。国防総省に徹底調査を指示したという。

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