ロシアのプーチン政権が、モスクワの赤の広場にある廟に安置されている「共産主義革命の父」レーニンの遺体を埋葬すべく極秘の検討に入った模様だ。 与党は昨年、ロシア革命記念日として親しまれていた十一月七日の休日「合意と和解の日」を廃止する法案を提出。共産党を除き、強い反対論が出ないことを見て取った大統領は、年末に法案に署名し、共産主義革命を歴史の彼方に葬る大きな一歩をしるした。 ロシア政界筋は「休日法改正はレーニン埋葬への一里塚」とみる。エリツィン前大統領はレーニン廟の衛兵警備を廃止したが、世論に配慮して遺体の埋葬には着手できなかった。プーチン大統領はソ連型中央集権の復活を進める一方で、国家統治のイデオロギーを帝政期に遡って模索することになりそうだ。 旧革命記念日の代わりに休日とされたのも、一六一二年にモスクワがポーランド軍から解放された十一月四日。ポーランド軍敗退は翌年のロマノフ王朝成立の契機となった。

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