昨年10月28日に米東海岸沿岸に上陸した超大型ハリケーン「サンディ」は、ニュージャージー州、ニューヨーク州、ニューイングランド地方などの広域に甚大な被害をもたらした。ニューヨーク・マンハッタンでは広範囲で浸水し、地下鉄をはじめとする公共交通機関は完全に麻痺し、ニューヨーク証券取引所も2日間取引停止に追い込まれた。11月4日に予定されていたニューヨーク・シティ・マラソンも被災者に配慮し、主催者は中止を決定し、「サンディ」は社会・経済活動に重大な被害をもたらしたのである。政治面でも、超大型ハリケーンは11月6日の米国大統領選挙の投開票の約10日前に来襲したため、オバマ、ロムニー両陣営ともに選挙キャンペーンの一時停止を余儀なくされ、大統領選挙への直接的な影響についても注目されたため、日本でも記憶している方は多くいると思われる。

「サンディ」の来襲から7カ月が経過した5月28日、バラク・オバマ大統領はニュージャージー州の被災地の復旧状況を視察した。大統領の視察に同行したのは、ニュージャージー州のクリス・クリスティ州知事だ。2人はニュージャージー州の被災地の中でも最も被害が深刻であったジャージーショアに足を運び、住居を破壊された住民の新たな住居の建築状況を確認するとともに、今年夏の本格的な観光シーズン幕開けを目前に控えたビーチでの地元関連産業の準備状況なども視察した。オバマ大統領は2日前の5月26日には竜巻被害で24名もの犠牲者を出したオクラホマ州の被災地を視察したばかりだ。

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