株式市場「5.23ショック」と宴の終わり

執筆者:青柳尚志2013年5月31日
 東証の担当者も茫然 (c)EPA時事
東証の担当者も茫然 (c)EPA時事

 金バブルの崩壊に続き、今回は日本株の宴の終わりについて語らねばならない。5月23日の日本株の暴落劇は、市場と政権が寄り添い「円安・株高」を謳歌したアベノミクスが曲がり角を迎えつつあることを示唆している。市場の期待に働きかけることを目指した黒田日銀も、長期金利の反乱に直面し、マーケットの迷宮に入り込んでしまったかのようだ。経営者も投資家も街行く人々も、乱気流の到来にシートベルトをしっかりと締めるときが到来している。

 

延び切っていた「買いの戦線」

 それにしても、日経平均株価が1100円以上の暴落を演じた23日の市場は異常だった。異常というのは株価の下げ幅が大きかったためばかりでない。水が低きから高きに流れるような、市場の常識に反することが起き始めていたからだ。前日の米国市場の動きから見てみよう。

 22日の米議会証言でバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長から、爆弾発言が飛び出した。質疑応答に際し金融の量的緩和(QE)からの出口に言及したのである。FRBによるマネーの供給を追い風にしていた米国株は22日の市場で反落した。日本株もひと休みして当然。そう思いきや、朝方は買いが先行し一時1万6000円に迫った。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。