アベノミクスでも富裕層の“海外逃避”が止まらない
2013年6月14日
NHKが6月1日、タックスヘイブン(租税回避地)に財産を持つ日本人のリストを、日本の国税庁がオーストラリアの税務当局から大量に入手したと報じた。報道によると、カリブ海のケイマン諸島などにある信託財産やペーパーカンパニーの所有者リストで、資料を入手したオーストラリアの税務当局から日本に関係するとみられる部分だけ、提供を受けたという。
ニュースでは「シンガポールのほか、ケイマン諸島や英領バージン諸島、南太平洋のクック諸島に財産や会社を持っている日本人の氏名や住所が確認できた」とし、資料は大量にあり、脱税が疑われるケースなどがないか今後調査するという国税庁の方針を伝えていた。
国税庁が税務調査の手の内を明かすことは普通はない。NHKに情報提供したのは明確な狙いがあってのことだろう。ニュースではご丁寧にも「積極的に公表することで国際的な税逃れに断固として対抗する姿勢を見せるためだ」という国税庁のコメントを流していた。さらに、2014年から義務付けが始まる5000万円超の海外財産の申告制度を紹介、「国税庁は適正な申告を呼びかけています」と述べていた。
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