今年八月から九月にかけて、中国とロシアが中国領土で大規模な合同軍事演習を実施することが決まり、米国や台湾が神経を尖らせている。台湾急襲を想定したとみられる空挺部隊の運用や、ロシアの戦略爆撃機の投入が決まっているためだ。 中露の合同演習は初めての試みで、昨年十月のプーチン大統領訪中で国境交渉を妥結させた両国の関係緊密化を示す。大統領は、権益圏のグルジアやウクライナでの親欧米政権誕生を米国が露骨に後押ししたことを苦々しく思っており、これ見よがしの合同演習はブッシュ政権に対する牽制の一環でもある。 演習に参加する戦略爆撃機は核巡航ミサイルを装備できるTu22M3バックファイアーとTu95MSベア。ミハイロフ空軍総司令官は、これらの爆撃機を中国の要請に応じて輸出する可能性も明らかにしている。 合同演習には、日本近海で動きを活発化させている中国原潜と、ロシア太平洋艦隊の潜水艦の連携行動も含まれる。演習中は在日米軍や自衛隊が情報収集に追われることになりそうだ。

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