昨年の国内パソコン市場シェアで六・二%(IDCジャパン調べ)の七位に転落したソニー。AV機能を売り物にした「VAIO」がヒットし、シェア三位まで浮上した面影はもはやない。販売テコ入れ策として直販専用の販社を設立したが、魅力ある製品が出ないほか、価格面でも最大手の米デルに対抗するのが難しく、「効果が出るかは未知数」(ライバルの大手電機幹部)という状況だ。 そこで、液晶事業で提携している韓国のサムスン電子とパソコン事業でも手を結び、「世界規模でパソコン事業を強化する」(ソニー関係者)との構想が浮上してきた。サムスンとの合弁工場で生産する液晶パネルなども活用、半導体なども一括して内部調達することで規模のメリットを活かし、「価格面でもデルに対抗できるコスト構造を作る」(同)のが狙いだという。 IBM―聯想ショックでパソコン業界は世界的に再編の動きが慌しい。トップが交代するほど業績の低迷しているソニーも打開のチャンスを必死で探している。乾坤一擲の秘策は実現するか。

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