対中武器禁輸の解除に動く欧州と米国との間に軋轢が生じる中、英国企業が軍民両用の「超小型衛星」を中国に売却しようとしていることが発覚。米ブッシュ政権は阻止に躍起となっている。 この超小型衛星は英国のサレー・サテライト・テクノロジーズ社(SSTL)が開発したもので、先端技術を駆使したシステムを装備し、高度な情報収集・監視能力を持つとされている。この衛星をSSTLが今年半ばまでに中国の科学技術省に提供する予定なのだが、米国防総省の国防先進研究計画局(DARPA)の専門家らは「台湾海峡での監視・偵察能力を飛躍的に向上させるだけでなく、中国が開発している衛星兵器に転用することの可能な技術も含まれる」と指摘する。 ワシントンの消息筋によれば、英政府は衛星の対中売却を米国に伏せていた節があり、二月に訪英したライス米国務長官がストロー英外相を問い詰めて判明。ライス長官がストロー外相に売却中止を強く迫ったほか、「ブッシュ政権はあの手この手でブレア政権を説得している」(同消息筋)という。 ちなみに、英国政府は、ロールスロイス社が中国海軍のJH7戦闘爆撃機向けにジェットエンジンを提供することも認めている。

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