「中央アフリカ共和国」を知っていますか?

執筆者:白戸圭一2013年7月15日

 サブサハラ・アフリカに対する関心が世界的に高まっているが、50カ国の中には国際的に注目を浴びている国と、国際的にほとんど忘れ去られたような国がある。その差は何に起因し、何を意味しているのだろうか。

 

 最貧国や紛争国で人道支援を続けている国際NGO「国境なき医師団」が7月9日、アフリカ中部の内陸国である中央アフリカ共和国について、世界の報道関係者に向けて緊急声明を出した。世界最悪水準の人道危機の発生についての声明である。

 中央アフリカは1960年にフランスから独立して以降、65年、79年、81年、2003年に軍事クーデターを経験している。65年から79年にかけて自らを「皇帝」と称した独裁者ボカサの圧政を経験し、90年代初頭には複数政党制による選挙の実施など民主化の兆しがみられたが、90年代後半から政情不安が常態化した。

 昨年12月、セレカと称する反政府勢力が北部・中部を制圧した。セレカは一時、南部の首都バンギの中央政府との間で和平合意を結んだが、今年3月に首都を制圧し、ボジゼ大統領を追放。指導者のミシェル・ジョトディアが新大統領就任を一方的に宣言した。アフリカ連合は政権奪取を認めず、中央アフリカの参加資格停止を決めた。

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