十月の経営統合を前に、三菱東京とUFJの両グループが主導権争いに血道を上げている。 東京三菱銀行とUFJ銀行は、重複する取引企業の場合、統合後は主力行側が一括して担当することを確認。このため両行とも統合までに顧客数を増やし、勢力拡大を図ろうと必死だ。 東京三菱は昨秋以降、拠点のない前橋、富山などに次々と法人営業所を設置。UFJと親密な大同生命保険とは、中小企業向け融資分野で提携した。 UFJ側も、年商三億円未満の企業を対象に新型ローンを開発。新規顧客を掘り起こし、九月末までに中小企業向け融資残高を現在の六兆九千億円から五千億円程度上積みする計画だ。「統合比率を上回るポストを取りにいく」。沖原隆宗UFJ銀行頭取は、統合後の役員・幹部人事について、こう号令をかけたという。両グループの統合比率、一対〇・六二を念頭に、三菱東京十に対しUFJ八程度のポスト配分を狙うとみられる。

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