十二月に初めて開かれる東アジアサミット。日本は開催国マレーシアとの共同議長国に名乗りを上げているが、ASEAN(東南アジア諸国連合)事務局筋によると日本を支持する声は皆無で、議長国はマレーシア単独となりそうだ。 田中均外務審議官がこのほどタイを訪問、日本の共同議長国就任への支持を暗に求めたところ、「東アジアサミットの運転席に座るのはASEAN。われわれは日中韓のお抱え運転手ではない」(クリット外務次官)と一蹴されてしまった。 サミット開催は昨年十一月、ビエンチャンでのASEANプラス3(日中韓)首脳会議で急遽決まったが、既存のASEANプラス3との違いや、域外国の参加を認めるかなどの議論はこれから。しかし、中国が同サミットの二〇〇七年北京誘致を念頭に、「議長は開催国が単独で務めるのが妥当」などとする独自の見解を、カンボジア政府経由でASEAN加盟国に伝えて日本を牽制。日本政府は、中国の影響力を薄めるため、サミットに米国や豪州などの参加を認めるようASEANに働き掛けるなど対抗している。 タイ政府当局者は「日本はASEANを中国との外交の戦場に使おうとしている」と不快感を示し、「第一回サミットには米も豪も加えない」と断言。日本の影響力は緒戦から一敗地にまみれる形となった。

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