ずるずると業績悪化を続けるGMが根本的な方向転換に踏み切れば、再び自動車業界の世界的再編も――。[ニューヨーク発]米ゼネラル・モーターズ(GM)の業績悪化が止まらない。三月十六日、GMは業績の大幅な下方修正を発表した。二〇〇五年通期の一株利益予想は一―二ドルと、一月時点の予想より八割もの減益。しかも一―三月期は八億五千万ドルの赤字となる見込みだ。これを受けて株価は前日終値を約一四%下回る二九・〇一ドルまで下落。アナリストたちはGM株の推奨ポジションを一気に「売り」へと修正した。 三千億ドル――日本円にすれば三十二兆円という目もくらむような債務を抱えた巨象の悲鳴を、格付け会社が聞き逃すわけがない。米大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はGMの長期債の格付けアウトルック(見通し)を「ネガティブ(引き下げ方向)」に変更。S&Pに米ムーディーズ、米英系フィッチ・レーティングスを加えた三大格付け会社の評価では、GM債はいずれも「投資不適格」すれすれの水準となっている。 財務悪化に目をつぶって注ぎ込んできたインセンティブ(ディーラーへの値引き奨励金)は、業界最高額となる一台当たり約三千七百ドル(三月の数字)。それも、もう効き目がない。米国での新車販売を見てみると六カ月連続で前年実績割れ(季節調整後)が続く。

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