北朝鮮が今年最大の行事と位置付けていた朝鮮戦争の休戦協定締結60周年(7月27日)の行事が終わった。北朝鮮にとっては「祖国解放戦争戦勝60周年」を祝う「勝利者の祝典」と位置付けた行事だった。

 北朝鮮は、昨年12月の事実上の長距離弾道ミサイルである人工衛星発射から、今年2月の3回目の核実験、そして3月以降の朝鮮戦争休戦協定の白紙化や「ソウルやワシントンを火の海にする」という威嚇などを続けた。「休戦協定60周年」を「祖国解放戦争戦勝60周年」としているだけに、軍事パレードを含めた関連行事では国際社会に挑発的なメッセージを発するのではないかという危惧もあった。しかし、終わってみれば、軍事パレードでは新兵器は登場せず、崔龍海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長が行なった演説では、「核保有国」などが強調されず、比較的抑制された内容となった。今年5月以降の対話路線が継続していることを印象付けた。

 

「金正恩時代」の本格的スタート

 今回の休戦協定締結60周年記念行事の全体的なイメージは「金正恩(キム・ジョンウン)時代の本格的スタート」だった。

 昨年4月の金日成(キム・イルソン)主席誕生100周年の軍事パレードは、100周年ということもあり、金日成主席の偉大性、それを継承した金正日(キム・ジョンイル)総書記の偉大性が強調された。金正恩時代のスタートというよりは、金日成主席、金正日総書記時代の「継承」というイメージが強かった。

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