チャイナ反日狂騒の陰

執筆者:名越健郎2005年6月号

 中国各地に広がった「抵製日貨・愛国無罪」のスローガンを見て、「造反有理・革命無罪」の40年前の文化大革命を思い出した。壁新聞がインターネットに変わり、紅衛兵が反日デモ隊となったが、背後に時の権力者の思惑が見え隠れする。 中国では、街頭行動は両刃の剣だ。1989年、ゴルバチョフ旧ソ連共産党書記長の訪問を歓迎した若者は、「ペレストロイカ支持」のスローガンをいつの間にか「反中央・反政府」に変え、天安門事件につながった。反日運動の背後に、中国指導部の不安も窺える。 問「世界で最も残酷な民族は誰か」 答「中国の教科書に載る日本人と、日本の教科書に載らない中国人だ」 男が帰宅すると、自宅が荒らされ、子供が連れ去られていた。 男が米国人なら、警察に届け、子供の無事を神に祈る。 男が日本人なら、警察に届け、子供の行方を捜す。 男が中国人なら、警察に届け、謝罪と補償を求めて日本大使館に押しかける。 胡錦濤国家主席が精神病院を視察すると、患者がそろって「日本軍国主義反対」の大合唱で迎えた。ところが、一人だけ歌おうとしない患者がいた。 不審に思った胡主席が担当の医師に尋ねた。「あの男はなぜ歌わない。よほど重症なのかね」

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