7月25日、久しぶりに公の場に姿を現した金慶喜氏(右端)。その隣りから、朴奉珠、金正恩、崔龍海、張成沢の各氏 (C)EPA=時事
7月25日、久しぶりに公の場に姿を現した金慶喜氏(右端)。その隣りから、朴奉珠、金正恩、崔龍海、張成沢の各氏 (C)EPA=時事

 北朝鮮が今年最大の行事と位置付けた「祖国解放戦争戦勝60周年」の記念行事は終わったが、金正恩(キム・ジョンウン)時代の北朝鮮はどこまで来ているのだろうか。

「北朝鮮の権力を動かしている真の人物、勢力は誰なのか」――。これは金正恩体制がスタートして以来の核心的な疑問だ。

 金正日(キム・ジョンイル)総書記は健康を害していたが、その死がいつ訪れるかは不明だった。数度にわたる中国訪問や活発だった現地指導からもう少しは金正日時代が続くのではないかと思われたが、2011年12月17日、突然、その死が訪れた。

 多くの専門家はまだ30歳に満たない金正恩氏の指導力に疑問を持ち、政権の実権は金正恩氏ではなく、後見人勢力が握るのではと推論した。党では、張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長や叔母の金慶喜(キム・ギョンヒ)氏、軍では李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長などが「後見人」とみられた。そして、2012年4月の第4回党代表者会でそれまでは党政治局員候補でしかなかった崔龍海(チェ・リョンヘ)氏が政治局員を飛び越して党政治局常務委員になると同時に軍総政治局長、次帥、国防委員に抜擢され、「後見人」グループに参入した。そして、その3カ月後の2012年7月に、軍制服組の実質的なトップの李英鎬総参謀長が劇的に解任され、失脚した。

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