朝鮮半島有事に備えた中国の軍部隊再配置が一段落した。 瀋陽軍区に所属する第四十集団軍(司令部=遼寧省錦州)の三個師団(総兵力四万人弱)を中朝国境の最前線に送りこんだほか、江沢民・前党中央軍事委主席が打ち出した兵力削減で解散する予定だった第二十三軍(黒龍江省ハルビン市)の一個旅団(一万人弱)を残し、第十六軍(吉林省長春)の一個旅団とあわせて国境地帯に配置。瀋陽軍区のエース部隊、第三十九集団軍(遼寧省遼陽)の兵力も二万人ほど追加し、総兵力を七万人近くに増強したという。「多くの作戦計画を準備しています」と明かした軍幹部によると、部隊再配置の最大の狙いは「突発事態の際に一挙に十万人規模の部隊を移動させる必要があるため」という。米国の軍事制裁、北朝鮮の暴発・崩壊などあらゆる可能性を睨み、「二十四時間以内に中朝国境から少なくとも五十キロほどは北朝鮮側まで制圧できる兵力を準備しなければならない」としている。 仮に米韓連合軍が北に侵攻することがあったとして、中朝国境の鴨緑江にまで到り、川一本隔てて米中が対峙するのは中国にとって「最大の悪夢の一つ」。三十八度線をまたぐ南北朝鮮間の非武装地帯と同じように、「必ずや中間地帯を確保せよ」と胡錦濤・党中央軍事委主席は厳命したという。

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