中国が、マラッカ海峡上のインドネシア領の島に潜水艦基地を建設しようとしている。 今年一月、ワシントン・タイムズ紙が報じた米国務省の内部リポートでは、中国はパキスタンやバングラデシュ、ミャンマー、カンボジア、タイ、南シナ海の島などに潜水艦用の基地や施設を設けているとされていた。だが、そこにインドネシアは含まれていない。 中国側の表向きの言い分は、ペルシャ湾と中国とを行き来する原油タンカーの航路であるシーレーンの防衛や、マラッカ海峡周辺のイスラム勢力を睨んでの反テロ活動など。だが、国際軍事筋は、台湾有事の際に米国がとると目される中国のエネルギー輸入阻止工作を牽制することこそが、中国の真の狙いだと読む。 また、海面下を航行する潜水艦では人工衛星が発するGPS信号を正確に受信することが難しいこともあり、外交筋は問題の海域で、中国の潜水艦による領海侵犯が今後急増することになりそうだと警告している。

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