「東京五輪決定」の背後であがる「フクシマ」の悲痛な叫び
2013年9月11日
東日本大震災から9月11日で2年半。
「復興は順調に進んでいる」
と胸を張る安倍晋三首相の足下で、日本の国際的信用を揺るがす事態が進んでいる。東京電力福島第1原子力発電所からの放射能汚染水漏洩。そこに繰り広げられるのは、震災前と変わらぬ昔ながらの日本的風景である。
増幅する地元の不信感
「いつまで、こんな嘘をつき続けるつもりなのかね。いずれバレるに決まってるのに」
2020年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)。9月7日、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれた総会に向けて、安倍晋三首相が送ったメッセージを聞き、福島県のある財界人は苦り切った顔でつぶやいた。
漏れ出た放射能汚染水を危惧するIOC委員たちを説得するのに、首相は、
「汚染水の状況はコントロールできている。東京には何のダメージもない」
と勇ましく言い切った。しかし、福島第1原発では今も毎日300トンの汚染水が海に流れ出ていて、東電の発表だけでも「コントロール下にある」とは到底思えない。地元では、この状態は2年半前から続いていたといううわさがもっぱらなのだ。
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