北朝鮮不審船をインドが監視中

執筆者:2005年9月号

 インド海軍情報部は、インド西岸に向かって航行する不審船を北朝鮮籍の「M. V. シャンドク」号と特定した模様だ。この船は、マハラシュトラとグジャラートの間の小さな港を目指しているとの情報がある。 インド当局は北朝鮮船の動きを監視し、誰も近づかないように警戒している。この船には武器や弾薬が積まれている可能性があるからだ。積み荷はイスラム過激派向けとみられ、この時期、米軍やパキスタン軍が警戒を強めるパキスタンなどを避けてインドの港の利用を狙っているようだ。 ムンバイ(旧ボンベイ)では一九九三年に、インド西岸の港から荷揚げされた爆発物を使った連続爆破事件が起きている。インド当局は何としてもその再現を避けたいのだ。 インド税関長のK. B. ミシュラ氏は、海軍情報部から機密扱いの詳細な警戒情報を受け取って「警戒を厳重にした」と語る。実際、西岸のアリボーグ、スリバーダン、ベングリア、ラトナジリ、ダホール、タロジャ、ウマルガオンなど、不審船が接岸しかねない地域を管轄する税関責任者は、休暇を返上して警戒にあたっている。

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