立役者のポラック氏
立役者のポラック氏

 駐日フランス大使公邸の凝ったメニューの装丁は、招待客の間で評判だ。幕末、明治時代の色刷りのポスターの複製を表紙に使い、テーブルについた人の目を惹きつける。最近、その装丁がまた一新された。この「アール・ド・ターブル」(食卓の芸術)の陰の立役者は、滞日42年になるクリスチャン・ポラック氏(63)。日仏関係史の研究では第一人者として知られている。

 

大使夫人が選んだポスター

 フランス大使公邸の変哲もないメニューを変えたのは、2006年 に赴任したルリデック大使とクリスチアヌ夫人だ。

「公邸のメニューの表紙をもっと華やかで目を引くものにしたい」

 と、旧知のポラック氏に相談をもちかけた。経営コンサルタント会社を経営する同氏は、幕末から明治維新を中心とした日仏関係史の研究家でもある。

 1971年に来日。早稲田大学と一橋大学で学び、会社設立後も経営と研究を両立させ、中央大学などで日仏関係史を講義した。両国交流を辿った著書『絹と光』(アシェット婦人画報社)、『筆と刀』(在日フランス商工会議所)は高く評価されている。研究に関係した写真、絵、ポスター、資料などの膨大なコレクションでも知られ、折々に日仏両国の美術館で展示されてきた。

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