アル・カエダの頭目、オサマ・ビン・ラディンの逮捕に向け、米国防総省はコンピューターによる画像処理・解析技術に優れたシリコン・グラフィックス(SGI)社と組んで、「地下目標特定機」と呼ばれる新装置の開発を急いでいる。 原油や天然ガスなどの探査では、現地の付近でごく小規模の人工地震を起こし、衝撃波の反射データから地下の状態を知る技法が用いられる。SGIもそうしたデータの解析システムを発表済みであり、それを応用して地下構造物をリアルタイムで正確に把握しようというのが、開発中の装置とみられる。 国防総省は、ビン・ラディンが依然として中央アジアの山岳地帯の洞窟や地下に身を隠しており、そうした施設の探索が不可欠と判断。二年ほど前からSGIとの共同開発に取り組んでおり、年内には試作品が完成する見通しのようだ。 SGIと米軍情報機関との協力関係は二十年余の長きにわたる。また、前述の資源探査用データ解析システムでは、チェイニー副大統領など共和党保守派と関係の深いハリバートン社の子会社が共同開発のパートナーを務めている。ワシントンの国防総省筋によれば、今回「地下目標特定機」の完成にとりわけ期待を寄せているのは、ラムズフェルド国防長官だという。

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