焦点の次回「日露公式会談」は来秋山口開催か

執筆者:名越健郎2013年11月9日

 日露関係で次の最大の焦点となるプーチン大統領の訪日は、来年秋ごろになりそうだ。安倍晋三首相は10月にインドネシアでプーチン大統領と会談した際、首相の地元である山口県での開催を提案。大統領は「喜んで受け入れる」と応じており、首相の選挙区である下関か長門での開催説が浮上している。

 

 首相はその際、誕生日を迎えた大統領に山口県産の日本酒と酒器をプレゼントし、地元をアピールしていた。

 

 日露間ではこれまで、イルクーツクや川奈など首都以外で首脳会談を開いたことがあり、いずれも重要な提案や合意がなされた。両首脳は今年9月、大統領の地元であるサンクトペテルブルクでも会談しており、日本側は、かつてゴルバチョフ元大統領とコール元独首相が郷里を相互訪問して親交を深め、戦後処理を一気に達成したことの再来を狙っているかにみえる。

 

 日本側は来年春の訪日を望んでいたが、「2月のソチ五輪、6月のソチでのG8サミットと日程が立て込んでおり、夏までの訪日は難しい」(ロシア外交筋)という。

 

 日露関係は今年4月の安倍首相訪露で弾みがつき、両首脳は今年4回会談。リベラルなオバマ米大統領を嫌うプーチン大統領は、安倍首相とは同じ保守派同士、ケミストリーが合うようだ。

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