国際テロ組織アル・カエダが、エジプトのシナイ半島北部と中部の山岳地帯に拠点を構築、同半島の一部を支配下に置いた模様だ。ワシントンの情報機関筋によると、アル・カエダは現地のベドウィン族やパレスチナ人の協力を得て、路肩爆弾や対人・対戦車地雷を仕掛けているほか、ロケット推進擲弾砲や対戦車兵器などで武装した戦闘グループを配置。エジプト治安部隊は幹線道路とその周辺にしか立ち入れない状態だという。 エジプトの治安当局者は、面積約六万平方キロのシナイ半島の五分の一がアル・カエダの掌中にあると見る。半島西端に位置する大動脈、スエズ運河もアル・カエダの攻撃可能範囲に入ったといわれる。 シナイ半島はエジプトの東端にありイスラエルと国境を接する。イスラエルの軍情報機関シンベトの高官によれば、山岳地帯で訓練を積んだパレスチナ人が同半島のリゾート地に滞在するイスラエル人観光客を攻撃する恐れが出ている。シナイ半島からアル・カエダ分派としてガザ地区に送り込まれ、パレスチナ過激派のハマスなどと連携行動をとっているグループの存在も確認された。

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