イランは同国初の気象衛星を近く打ち上げる計画だが、その目的は米軍などの軍事活動を監視するためとの見方が有力だ。 中東の軍事筋によると、衛星は「メスバ」と呼ばれる。八年前からイタリアの技術者の協力を得て開発が始まり、このほど二基が完成。打ち上げはロシア製のコスモス3ロケットによって行なわれると見られる。最長で五年間は軌道上にとどまり、継続運用される可能性があるという。 この衛星は気象・実験用とされているものの、二基のうち少なくとも一基は中東全域にある米軍やイスラエル軍の施設を監視する能力を持つと見る専門家が多い。 イスラエルの情報機関関係者によれば、メスバの打ち上げは当初、来年春以降とされていたが、核開発疑惑をめぐって欧米とイランとの緊張が増したのを受け、計画が前倒しされた可能性が高い。ワシントンの中東筋も「米軍の侵攻やイスラエルによる奇襲攻撃に備え監視能力を高める必要があるという軍部の圧力で、急遽早まったのかもしれない」と語っている。

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