国連創設六十周年を記念する国連総会特別首脳会合が九月十四日から十六日までニューヨークの国連本部で開かれ、世界約百七十カ国の首脳が集まった。 初日、アナン国連事務総長の主催による歓迎昼食会が本部二階の大広間「ノースラウンジ」で開かれた。招待客は二百三十人。十人掛けの丸テーブルが大広間を一杯に埋めた。「世界のVIPが一堂に会して実に壮観でした。でも準備もこれまでで最も大変でした」と言うのは国連儀典課のドミニク・パルシェさん。この道二十年以上のベテランのフランス人女性だ。「国連の儀典の難しさは多国間関係であること。基本的に二国間関係を考えればいい一国の儀典と違う点です」。 パルシェさんが最も苦労したのが席次。まず参加人数が最後まで決まらない。「出席する」と通知していた国が、間際になって取り消したり、その逆もある。国連大使の出席を予定していた北朝鮮は、最後の段階で欠席を通知してきた。 序列にも気を使う。二百三十人の内訳は、国王や大統領といった国家元首八十人、首相クラス四十五人、残りが国連代表部大使などだ。国家元首は首相よりも格は高いが、同じ国家元首でも国の大小で序列は異なる。また勘案しなければならないのが参加国の要望。「〇〇の国とは同じテーブルにしないでほしい」「△△の元首の近くに座らせてほしい」といった“注文”は、今回も数多く寄せられた。「できるだけ希望に沿うようにしましたが、ジグソーパズルを解くようなものでした」。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。