イラクの武装勢力がIRAと提携か

執筆者:2005年12月号

 イラクでテロ活動を繰り返すシーア派武装勢力が、英国のカトリック過激派組織、アイルランド共和軍(IRA)と密かに手を結んでいる可能性が取り沙汰されている。 イラク駐留の英軍関係者によれば、十月初め、イラク南部で武装勢力の待ち伏せ攻撃によって八人の英兵が死亡した事件を捜査した結果、使用された爆弾と起爆装置はIRAが開発した技術によるものであることが分かった。 爆弾にはカメラのフラッシュ装置の仕組みが活用され、起爆装置の方は無線や赤外線の受信機などが組み込まれたもの。十五年ほど前にIRAが英国の保安組織から盗み出したとされている。 英国の情報機関はこれまで、イランの革命防衛隊がイスラム原理主義組織ヒズボラを通じてイラクのシーア派武装勢力の爆弾製造を支援しているとみていた。だが、今回の捜査結果を受けて、IRAが中東のいずれかの地域でイラクの武装勢力と恒常的に接触し、爆弾製造のノウハウを伝授しているとの見方を強め始めた。 中東の外交筋は「イラク武装勢力が単に爆弾技術だけでなく、その他の面でもIRAから支援を受けていると考えられる証拠が複数ある」と述べている。

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