十一月九日、ヨルダンの首都アンマンのホテルなどで起きた同時爆破テロに巻き込まれ、中国の軍・国防大学の代表団メンバー三人が死亡、活発な中国の軍事外交が浮き彫りになったと伝えられた。 だが、話は外交にとどまらない。中国の軍関係筋によると「軍代表団は、実はたびたびヨルダン入りしている。とても高い“授業料”を払って、対台湾戦に備え、ヨルダン軍がアメリカから導入した武器装備について学んでいる」。 テロ事件を報じた中国国営通信・新華社は、五日に北京を発った代表団はタイを経由して事件当日の九日にヨルダン入りし、駐ヨルダン中国大使館の歓迎会に出席した後にホテルに戻ったところで事件に遭遇したとして、通常の軍事交流の色合いを強調した。しかし、真相は異なる。 代表団は軍総政治部、総後勤部、総装備部の幹部を含む三十人あまりの構成で、重要メンバーの一人は「総装備部に所属する佐官級の高級技術将校だった」。空軍の技術開発拠点である空軍技術論証中心の尉官級士官も同行していたという。「飲みに出かけていた」このグループは難を逃れ、幹部候補生として国防大学で学ぶ三人の士官が死亡した。 ヨルダン軍は現在でも台湾から自動小銃など小火器を輸入するなど、台湾との小規模な軍事交流を継続している。そのため台湾の最新の軍事情報を「限定的ながら」持っていると見た中国が積極的にアプローチしたのが、交流拡大のきっかけだったようだ。

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