中国が海底資源の開発を進めている東シナ海の日中中間線付近。その上空で中国空軍が情報収集機による活動を活発化させており、航空自衛隊の戦闘機が九州の新田原基地、築城基地から緊急発進するケースが相次いでいる。 防衛庁によると、二〇〇五年四月から九月までの半年間に、日本の防空識別圏(ADIZ)に中国軍機が侵入、自衛隊機が緊急発進した例は三十件と過去最高の一九九八年に並ぶ件数となった。その後の十月、十一月も緊急発進が続き、最高記録を更新し続けている。 航空自衛隊によると、侵入してくる中国軍機は主に、〇四年夏に実戦配備が確認された最新機種のY8EWという電子情報収集機。主に在日米軍、自衛隊の電波、交信情報を収集しているとみている。 航空自衛隊では、緊急発進した戦闘機から中国軍機の写真撮影にも成功している。だが、その写真を含め、〇五年度の上半期の緊急発進の実態も公には発表していない。 防衛庁幹部によると、「中国を刺激するのは避けて欲しい」との、外務省の意向があるためだという。

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