中国共産党中央は「沿岸警備隊」の創設を正式決定した。領有権・領海や海洋資源をめぐり、今後も周辺国との紛争多発が予想されるなかで、これまでのように軍が正面に立てば、かえって問題を複雑にするばかりか、不必要に相手国の感情を刺激すると判断した。「米国の沿岸警備隊、日本の海上保安庁を手本に編成作業に着手した」と、幹部は明かした。 新組織は、機構上は国務院国家海洋局に所属する予定。海洋局は一九六四年、中国科学院の海洋研究部門と海軍の海図作成や気象観測部門など非作戦分野を母体にして発足。このため調査船や観測船は保有するが、海上保安庁の巡視船のような船舶は所有していない。 幹部によると、海軍艦艇の塗装や標識を変え、全沿岸を三つから五つほどの管轄区に分けて、それぞれに艦隊を編成する準備を急ピッチで進めている。今後は、たとえば東シナ海の天然ガス田開発をめぐって、「軍ではない」との名目で、中国の沿岸警備隊がしばしば出張ってくることになるわけだ。

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