「上院がカギ」となる2014年米中間選挙

執筆者:足立正彦2014年1月9日

 新しい年を迎え、バラク・オバマ大統領は生まれ故郷であるハワイでの2週間の長期休暇を終えてホワイトハウスに戻った。また、米議会も1月6日から第113議会第2会期が始まり、ワシントンは始動しつつある。今年、2014年の米国政治にとり最大のイベントは言うまでもなく11月4日に投票が行われる中間選挙である。本稿では現時点での2014年中間選挙の展望と意義に焦点を当てたい。

 

 現職大統領にとり大統領就任6年目に行われる中間選挙は与党が議席を大幅に失って敗北するパターンが歴史的にも顕著である。最近の例では、イラク戦争が最大の争点となった2006年中間選挙を挙げることができる。このとき共和党は上院で6、下院では30もの議席を失い、第110議会(2007年1月-2009年1月)では上下両院でそれぞれ民主党が多数党の立場に復帰し、ジョージ・W.ブッシュ大統領の「レームダック化」を加速させることとなった。また、1986年中間選挙では民主党が上院で8議席、下院で5議席を純増させて勝利した。その結果、上下両院ともに民主党が支配することになった第100議会(1987年1月-1989年1月)では、米国の国内産業の保護、「スーパー301条」に象徴される外国の不公正貿易慣行の是正、米国の国際競争力の強化などを柱とする「1988年包括通商・競争力法案」にロナルド・レーガン大統領は署名を余儀なくされ同法は成立した。20世紀以降、大統領就任6年目で与党が議席を増大させることができた中間選挙は、ビル・クリントン大統領当時の1998年中間選挙のみである(上院は増減なし、下院は5議席増)。今年11月に行われる中間選挙はオバマ大統領の残りの任期での舵取りにも多大な影響を及ぼすために非常に注目されるのである。

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